唯一無二「The Queen Is Dead」The Smiths

70年代後半イギリスのミュージックシーンは、パンク一色でした。社会に対する若者の怒りが爆発して、それが音楽で表現された時代。その時代が終わったあと、ポスト・パンクと呼ばれるバンドが出てきました。

メインストリームはニューロマンティックと呼ばれた所謂ヴィジュアル系バンドが台頭していましたが、その裏でネオサイケや、ネオアコースティックというロックオルタナティブ系の良質のインディーバンドが沢山生まれた時代でもありました。

そのネオアコースティック・ミュージックの親玉的存在であったのが今回ご紹介するThe Smiths(スミス)です。イギリス北部のマンチェスター出身。ヴォーカルのモリッシ―は一言で言えば、偏屈。もの凄く変わってる人で、なおかつ物凄いカリスマ性があり、オタクで引きこもりだった経験を持つフロントマンというかなりの変わり種。

そのモリッシ―が書くいかにも文学青年的な、ナイーブで、イギリスの若者特有の皮肉った言い回しの、言葉に鋭いインパクトを持つ歌詞の世界は他に類を見ないものでした。それに曲をつけるギターのジョニー・マーは天才ギタリストの一人と言っても過言ではないギターテクニックを持ち、彼の書くメロディーはポップで最高にキャッチ―で、でも、これもまた他に類を見ないような唯一無二のもの。その唯一無二の歌詞とメロディー、モリッシ―の他に類を見ないヴォーカル・スタイル、ジョニー・マーの天才的ギターとメロディーセンス、このすべてが凝縮された最高傑作、それがこの「The Queen Is Dead」です。衝撃的なタイトルもまさにスミスらしさが全面に出ています。

スミスはシングル・バンドと言われましたが、このアルバム全体のクオリティーの高さは、そのシングル・バンドという評判もうち消すほどです。

これはザ・スミス以外には作りえなかった唯一無二の最高傑作です。時代の波にも色あせる事の永遠にない、超・名作です。